2008.11.22
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20081120-OYT8T00241.htm
私が大学で学生に講義をしていた時は、「サクシン」と「サクシゾン」は名前が似ていて間違いやすく、実際に誤投与で死亡症例も出ているので注意して下さい、その他にも間違いやすい薬がありますと、口が酸っぱくなるほど言っていました。コンピューターを使っていても、最終的には人が確認するのは変わりません。「サクシン」は病棟ではそんなに多く使う薬ではありませんから、そのあたりで誤投与が無くなる仕組みが作れないものかと思います。看護師と医師との関係ももっと親密なものであれば、最悪の結果は免れたかもしれません。繰り返されてしまってとても残念です。以前に亡くなられた方も浮かばれません。
徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で、肺気腫の疑いで入院していた男性患者(70)に、抗炎症剤ではなく、誤って名前の似ている筋弛緩(しかん)剤を点滴し、急性薬物中毒で死亡させていたことが19日、わかった。病院側はミスを認めており、県警は業務上過失致死容疑で調べている。
病院や遺族によると、男性は今月17日夜に容体が急変し、体温が40度近くになった。当直の30歳代の女性医師は、抗炎症剤「サクシゾン」を出そうとしたが、データベースでヒットした筋弛緩剤「サクシン」をサクシゾンと思いこんだ。サクシンを受け取った看護師から「本当にサクシンでいいのですか?」との問い合わせがあったが、医師には「サクシゾン」と聞こえたため、「いいよ」と答えたという。
サクシンは、麻酔時や気管に管を挿入する際などに使用。使用を誤ると、呼吸停止を起こす場合がある。
(2008年11月20日 読売新聞)