お知らせ

  • メタボ検診の危うさ

2009.02.03

http://www.excite.co.jp/News/society/20090130/20090130E40.045.html

私の外来でも、禁煙と節酒の方に力点を置いています。風邪で受診した患者さんから必ず喫煙の有無を聞き取るわけですが、禁煙できたという方とはつい長話をしてしまう自分がいます。私は喫煙しませんが、患者さんの禁煙に役立つ新しい情報が無いかと常に探しているためです。禁煙できた人は圧倒的に、自分もしくは身内のいずれかが大病を患った、もしくはそれらの人に禁煙を勧められたという方が多いようですが、今日からタバコを止めると決心してやめたという意志の強い方も外来にいらっしゃっています。飲酒に関しては、自分で前もって決めた量でやめられる方には、禁酒の指導はしていません。逆にバックアップをしています。総じて、続けられる、現実的に可能な生活指導に心がけています。


2009年1月30日 12時09分 ( 2009年1月30日 13時08分更新 )

<長生き>禁煙・節酒に「太め」 メタボ健診に疑問…厚労省
 がんや心筋梗塞(こうそく)などの循環器疾患を起こさないで今後の10年間を生きる可能性が最も高いのは、「禁煙、月1~3回の飲酒、BMI(体格指数)25~27」の人であることが、厚生労働省研究班による約9万6000人の調査結果に基づく推計で判明した。禁煙や節酒の取り組みは生存率を向上させるが、BMIだけ下げても変化はなかった。

 主任研究者の津金昌一郎・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長は「がん、循環器疾患を減らすには、肥満対策より、まず禁煙、節酒を推進することが重要。国民全体の健康対策として取り組む場合、肥満中心の手法は適切ではない可能性がある」と、肥満改善を重視する現在の特定健診(メタボ健診)に疑問を投げかけた。米医学誌電子版に発表した。

 調査は、全国8県に住む40~69歳の約9万6000人が対象。生活習慣に関するアンケートをし、約10年追跡した。

 調査対象年齢の人が、10年間にがんか循環器疾患を起こすか、死亡する可能性が最も高いのは、男性が「1日40本以上喫煙、週に日本酒2合相当以上の飲酒、BMI30以上」、女性が「喫煙、同1合相当以上の飲酒、BMI30以上」だった。

 たとえば50~54歳の男性で、最も不健康な条件の人が10年間にがんを発症する割合は、健康な条件の人の2.8倍、循環器疾患は4.8倍に達した。がん、循環器疾患にならないで生存している割合は81%にとどまった。

 一方、BMI30以上の人が同25~27に下げても、平均的な生活習慣の男性の生存率とほとんど変わらなかった。ところが、禁煙や節酒の取り組みを組み合わせると、大幅に向上した。【永山悦子】

 【ことば】BMI

 国際的に肥満度を示す指標として使われており、体重(キロ)÷身長(メートル)の2乗で算出する。日本肥満学会は「18.5未満」をやせ、「22」を標準、「25以上」を肥満とする。政府が推進する「健康日本21」やメタボ健診では、25以上の人にやせることを推奨している。