2009.02.08
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20090204-OYT8T00590.htm
この話題には触れずにはおけません。
この影で、まだまだ孤軍奮闘している医療従事者や公的な助けを得ていない家族の方々がいることも忘れる事ができません。また、実数は増えていても、質がどうなっているかも大切だと思います。放置状態に近いような看取りが行われているのでは意味がありません。
在宅で看取り3万2000人、前年比2割増加
自宅で療養する高齢者を支える全国の在宅療養支援診療所が、2008年6月末までの1年間に在宅で看取(みと)った患者が約3万2000人に上り、前年に比べて2割増えたことが読売新聞社の調査でわかった。在宅療養の体制が徐々に整う一方で、支援診療所の15%が一度も訪問診療をせず、看板倒れとなっている実態も明らかになった。
支援診療所は、24時間365日往診できる診療所で、在宅医療のけん引役として06年4月に制度化された。1人の患者に月2回程度の訪問診療を行い、終末期には緊急の往診をする。約10万の診療所の1割にあたる1万1098施設が、支援診療所として届け出ている。
調査は、47都道府県の厚生局事務所が集めたデータを開示請求し、集計した。
それによると、全国の支援診療所が在宅で看取った患者は、自宅のほか、高齢者が居住する特別養護老人ホームなどを含め3万2417人。地域別では、トップは東京(5288人)で、神奈川(2601人)、大阪(2037人)が続いた。最も少ないのは高知で、46人だった。
75歳以上の死亡者1万人当たりでみると、東京が881人で最も多く、最も少ない高知(72人)とは12倍の格差があった。首都圏などの人口密集地域ほど看取り割合が高い傾向があった。
一方、6164施設(56%)で在宅での看取りがまったくなく、在宅の患者が1人もいない施設も1719施設(15%)を占めた。自宅でみてくれる診療所を探す患者・家族にとり、機能していない支援診療所の存在は混乱を招くとの指摘もあり、来年の診療報酬改定で論議を呼びそうだ。
年間の死亡者約110万人のうち、8割が病院で亡くなっている。在宅での看取りを進めることで、「最期は住み慣れた自宅で」という患者・家族の願いをかなえるとともに、医療費の抑制も期待されている。
(2009年2月4日 読売新聞)