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  • 広島大小児科医師、年度末に10人辞職 「体力もたぬ」

  • 広島大小児科医師、年度末に10人辞職 「体力もたぬ」

2009.02.22

http://www.asahi.com/national/update/0219/OSK200902190097.html

大学病院勤務の時、小児科の先生の激務ぶりを横目で見ながら、「普通に忙しく」働いていたのを思い出します。代わりに私が診ましょうか?と手助けしたくなるぐらいでした。改善するどころか、より一層勤務状況が悪くなっている事を実感します。現状を打破できる、短期間で効果が出ると思われる処方箋はないような気がします。


広島大小児科医師、年度末に10人辞職 「体力もたぬ」 2009年2月21日8時37分

 広島大学病院小児科医局の医師10人が今年度末で辞職することが、広大への取材でわかった。ほかに、昨年9月からすでに2人が辞職し、今年4月以降も1人が辞める見込み。4月に後期研修医7人が入局するが、同医局がこれまで通りに地域の各病院に医師を派遣するのは困難で、小児医療が十分提供されなくなるおそれがある。

 広大によると、同医局には約120人の医師がおり、うち約100人が広大病院以外の広島県内の公立と民間の30病院へ派遣され、常勤している。大学病院内で勤務している医師たちも、診療や研究のほかに多い人で1カ月に9回は広大以外の病院で非常勤として働き、うち3回は当直をこなしている。

 3月末で辞職するのは、広島市立舟入病院(広島市)や呉共済病院(呉市)に派遣されている医師ら8人と、広大病院内で勤務する2人。辞職する医師たちのほか、昨秋から今年度末までに3人の医師が出産にともなう休暇に入る。このため4月以降は各病院への派遣体制を見直さざるを得なくなり、入院機能を維持できずに、外来のみとなる病院が出てくる可能性もある。

 呉共済病院では、4人の小児科医のうち広大からの1人が年度末に退職するため、市内の3病院で実施している夜間救急輪番制のあり方を見直すよう関係機関に求めているという。

 13人の辞職理由は「県外の医療機関に赴任する」5人、「開業する」4人、「家庭の都合」2人、「眼科医になる」1人などだが、多くが「疲れた。体力が持たない」と述べているという。小児科は夜間に診療を希望する患者が多く、他科より勤務がハードだとされる。

 医師の大学病院離れの背景には、04年に始まった国の新臨床研修制度がある。制度によって、新人医師は大学の医局を経ずに自らの意思で全国どこの病院でも研修先に選べるようになった。大学病院の医局に入ると中山間地域へ派遣されることなどを理由として、都市部の民間病院に人気が集中。大学病院で研修する割合は新制度実施前の7割から半分以下に減少した。地域医療を担う大学の医局は、従来通りの派遣機能を維持することが難しくなり、急な人員減にも対応できなくなっている。

 広大の小林正夫教授(小児科学)は「大学病院以外の病院にも地域の病院への派遣機能を持ってもらわないと、地域医療は破綻(はたん)する」と話している。(辻外記子)