お知らせ

  • おくりびと、新型インフル遺体に要注意

2009.04.05

http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-21321.html

ここまで神経質にならなくてはいけない世の中は嫌ですね。


おくりびと、新型インフル遺体に要注意
2009年4月1日(水)16:20

(医療介護CBニュース)
おくりびと(納棺師)は、新型インフルエンザが大流行した場合、感染した遺体の取り扱いに気を付けて―。

第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した邦画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)では、遺体をふく、遺体のひげをそる、化粧をするなど「納棺の儀」で旅立ちを手伝う納棺師の仕事がクローズアップされた。しかし、感染症の専門家や感染防護具の関係者らは、遺体が新型インフルなどに感染している場合、これらの行為は感染リスクが高いと警鐘を鳴らす。厚生労働省も、納棺師など葬儀関係業者、排泄物が外に漏れないように処置する看護師、病理医や検死官らに、パンデミック時の遺体の取り扱いに注意するよう呼び掛けている。悲しみのあまり、遺族などが遺体にすがり付く行為も、実は感染の危険を伴うとされており、注意が必要だ。

■遺体から漏れる体液から感染

新型インフルは飛沫感染で人から人へ感染すると考えられている。このため、くしゃみやせきをしない遺体から感染が拡大する可能性は低い。しかし、遺体から体液や排泄物が漏れている場合、これらが接触感染の感染源となるリスクがあるという。
北里大医学部の和田耕治さん(公衆衛生学)は「体液や排泄物の中でも、特に呼吸器系から分泌された鼻水、唾液、たんなどは危険度が高いと思われる」と指摘する。
「体液を直接手で触ってしまった場合、すぐに手を洗えば問題ないが、ウイルスを含む液体の付いた手で自分の目、鼻、口などを触ると感染する恐れがある。個人差はあるものの、多くの人は無意識のうちに顔を触っている」
米国のある調査によると、10人の被験者を3時間観察したところ、平均で目を7.4回、唇を24回、鼻を16回触っていた。最も多かった人は目を12回、唇を72回、鼻を20回も触っていたという。
「ウイルスの付いた手でドアノブや手すりなどを触ると、そこからほかの人に感染することも考えられる。遺族や友人などが、新型インフルで亡くなった遺体に直接触れることを希望する場合、手袋を着用してもらった方がよい。触った後はすぐに手袋を廃棄。さらに手袋を外した後も手を洗う。遺体が感染源となる感染症は新型インフルだけではないので、十分気を付けて」(和田さん)
バイオテロなどで使われる可能性のある天然痘や、B型・C型肝炎などあらゆる病気が、遺体から感染するリスクがあるという。「おくりびと」では、遺族が遺体の額やほほにキスするシーンもあったが、これも遺体がウイルスに感染していることが分かっている場合は避けた方が無難だ。

■埋火葬ガイドライン熟読して

特に注意が必要とされるのは、職務で遺体と接触する納棺師や看護師、病理医、検死官など。和田さんは、「遺体に触れる機会が多い職種の人々は、厚労省が2月末に改定した『埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン』をしっかり読んでほしい」と呼び掛ける。
厚労省の担当者は、「遺体を埋葬するときは、遺族の感情、地域の葬送文化や国民の宗教感情などを最大限尊重しなければならない」としながらも、「パンデミック時は十分気を付けてほしい。遺体運搬時はガイドラインに従って、体液が漏れないよう非透過性の納体袋に入れて運んでほしい」と話す。

同ガイドラインでは「遺体の搬送に際し、遺体が非透過性納体袋に収容、密封されている限りにおいては、特別の感染防止策は不要であり、遺体の搬送を遺族等が行うことも差し支えない」としている。

厚労省は医療機関向けの感染防止マニュアルの作成を急いでおり、今年度に公表する予定だという。