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  • 診療体制整備 待ったなし

2009.06.07

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20090526-OYT8T00301.htm

報道が急激に下火になってしまいました。
入口も診察室も限られている一般医療機関では、極めて難しい対応になることが予想されます。


診療体制整備 待ったなし

入り口に院内感染を防ぐための注意書きが張り出された安藤医院(20日、神戸市灘区で) 熱のある人、風邪症状の人は、入室される前にインターホンで症状をお聞きします――。

 神戸市灘区の安藤医院の入り口には、こんな張り紙が掲示してある。新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の患者と一般の患者が接触しないようにするためだ。

 政府は22日、「新型」の患者が急増している地域では、指定された発熱外来だけでなく、一般の医療機関で患者を診療してもよい、と対処方針を改めた。これに先んじて、20日から一般医療機関での受診を始めているのが、神戸市だ。

 市と市医師会との合意では、保健所などの発熱相談センターで患者の電話を受け、軽症と判断された場合は一般医療機関で診る。

 「診療への協力は惜しまない」と、同医院理事長で医師の安藤嗣彦さん(64)。ただし、「『新型』と一般の患者との接触を、どれだけ厳密に避けられるかは分からない」と、不安ものぞかせる。

 同医院に発熱した人が来た場合の手順は、こうだ。まず、インターホンで熱や風邪の症状を確認したら、本来の入り口とは別の扉から患者に入ってもらう。診察室は通らずに、隣のレントゲン室へと誘導。そこで診察をする。

 大きめの自家用車で来院した患者であれば、駐車スペースに止めた車の中で診察したり、簡易検査の結果が出るまで車内で待ってもらったりする。

 しかし、同医院には1日100人余りの患者が訪れる。風邪の症状があってもインターホンを鳴らさないで入ってくる人もいる。入り口の台には手を洗ってもらうよう消毒用アルコールを置いているが、使ってくれない人、マスクをしていない人もいる。

 「地域の診療所の医師としては、高血圧や糖尿病などで普段から通院している患者を、まず感染から守る役目がある。小さな診療所の独自の取り組みだけでは、限界がある」と訴える。

 今回の神戸市のように感染が拡大した場合には、病院の発熱外来ですべての患者を診ることはできない。一般開業医と連携した診療体制作りが欠かせない。

 たとえば仙台市では市や医師会が早くから話し合いを重ね、今年2月には、一般開業医も「新型」の診療にあたる計画を策定。医師や看護師が予防用に使うインフルエンザ治療薬「タミフル」を支給するなどの準備を進めている。

 今回の流行は終息に向かいつつあるとされるが、今後に向けて、体制整備は待ったなしだ。

(2009年5月26日 読売新聞)